資産除去債務と税務調整

資産除去債務と税務調整

資産除去債務に関する会計基準が適用されています。
この会計基準によりBSの負債項目として資産除去債務の現在価値が負債計上され、資産項目として資産除去債務相当の有形固定資産とこれについての減価償却累計額が資産計上されます。(なおPLには資産除去債務に係る減価償却費と利息費用が原価または販売費一般管理費に計上され、また適用初年度においては過年度発生分が特別損失として計上されます。)
税務上はこれらの計上は一切認められません。
そこで次のような税務調整が必要です。

1.BSでの表示
資産除去債務の残高は負債の部で単独表示します。税務上はこの残高を別表4、5で調整します。
有形固定資産の科目内訳を作成し、有形固定資産と減価償却累計額を本来の取得価額に係る金額と資産除去債務に係る金額に区分します。税務上は資産除去債務に係る金額を別表4,5で調整します。

2.減価償却システムでの取扱
減価償却システムには資産除去債務に相当する部分は資産登録しません。これにより法人税の減価償却別表への反映と償却資産税申告書への反映が起こりません。法人税別表の期末帳簿価額=科目内訳書の有形固定資産本来の取得価額分―減価償却累計額の本来の取得価額分となっていることを確認する必要があります。